銀座のヴァニラ画廊へ行ってきました。
毎回アングラ且つマニアックな展覧会を開催している銀座八丁目にある『ヴァニラ画廊』。
画廊というのは美術館と違い開催期間が短いので、時期を逃すとほんと二度と見れなくなる、なんてこともある。なので行ける時に行かなきゃならんのです。
今回はシフト休みの日に暇を見つけてなんとか行ってまいりました。
沙村広明×森馨:展覧会(展示室A)
清水真理×林美登利×泥方陽菜:人形展(展示室B)
2014年9月22日(月)〜10月4日(土)
勿論撮影は禁止なので感想のみ。
客は私しかいなかったのです…
■清水真理×林美登利×泥方陽菜:人形展
最初は展示室Bの方に入りましたが、そこには美しさと狂気とどこか悲哀に満ちた表情をした少女達の人形たちが飾られてます。
そこで目に止まったのは林美登利さんの「蚕蛾姫」という人形。「祈り」と題した目を閉じて横たわってる美しい少女と、「森の子供」という人形でそのうちの一体が鳥の化身のような少女の人形。
少女達のあまりの美しさに目を奪われ、二回も回って見てしまいましたよ。
人形というのは「ひとがた」と書くように、じっと見つめる瞳を覗くとそこにはほんとうに魂が宿ってるよう。だからこそ昔から人形にまつわる怖い話や怪奇ネタがつきないのでしょうか。
球体関節人形というと、昔よく読んだ澁澤龍彦の本で馴染みの作家、四谷シモンのくらいしか思いつかないくらい大した知識もない私ですが、実際見てみるといやこれまた美しく素敵なもので魅了されてしまいました。
■沙村広明×森馨:展覧会
今回わたし的メイン。
漫画家、沙村広明先生の代表作といえば「無限の住人」ですが、最初読んだ時はかなり衝撃を受けました。まだ私が二十歳前後の時でしょうか。
デッサン的なタッチで描かれるあらゆるシーンは血しぶきが飛び散り、四肢が切断され五臓六腑をまき散らしたりと残酷で暴力的だけど、描き方にどこか美学が感じられてかなりハマりました。
掲載誌アフタヌーンは月刊なので単行本発売されるのは年に一回。発売日が待ち遠しかったくらいです。
今回の展覧会に展示されてた絵も、沙村先生のサディスティックなワールドが繰り広げられてましたが、鉛筆で描かれた原画をみると、印刷されたモノよりはるかに感動の粋を超え魅入ってしまいました。
沙村先生は多摩美術大学出身らしく、絵から芸術的なセンスを感じてたらやっぱりなるほどなぁと。納得。
同じく展示室に飾られた森馨さんの人形たちも、その沙村広明の原画の世界と同化し違和感なく所々ひっそりと飾られてて、めくるめく狂気に満ちたひとつの世界を演出していました。
いやー素晴らしかった!わざわざ見に行ったかいがありました。
広々とした美術館もいいけど狭い空間の中じっくりと世界にどっぷり浸ることができるのが画廊のいいところかと。
面白そうなのがあったらまた見に行こうと思います。
今回ヴァニラ画廊まで家から徒歩で行き、帰りも雨が降り電車に乗るまで10キロ近くヒールの靴で歩いたのでだいぶ疲れて帰ってきました…