MENU
なお
気の向くまま"楽しそうな道を走ろうツーリング"をしてる女ソロライダーです。人があまり通らなさそうな道に惹かれる傾向があります。
ブログでは主にツーレポ、よもやま日記をバイク関係なく好き勝手に綴ってます。
ARCHIVEs
CATEGORY
Calendar
2026年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728 

”これでも温泉ですか。絶望的ですね”───ゲンセンヵン主人の温泉へ【 湯宿温泉  松の湯 】

タイトルだけで何処の温泉かピンと来た方はいらっしゃると思いますが、目的地は上州湯宿温泉です。


『ゲンセンカン主人』から

言わずもがな、というほど世間的に知られているかは分からないけれど、湯宿温泉は、つげ義春の有名な作品『ゲンセンカン主人』のモデルになった温泉地。

読んでからずっと気になってはいたものの、なかなか足を運ぶ機会がなく、私にとっては今回が初めての訪れとなった。

知っている人からすれば今さら、という話かもしれないけど、距離的にも湯宿温泉がちょうどいい位置にあったので、これはいい機会だな、と。

そんな流れで、行ってみることにした。

CONTENTS

つげ義春の紀行エッセイ


熱狂的なファンも沢山いるので、遅咲きの私なんぞが語れる身ではないのだけど、でもここで取り上げたからにはちょっとだけ。

私の場合、つげ義春の良さが分かってきたのは歳をとってからだった。

学生時代、確か19か20頃。サブカル好きだった友人につげ義春含めガロ系の本を勧められて、さくっと読んでみたものの、オタク寄りな漫画やアニメ、ゲームが好きだった当時の私にはピンと来なかった。

美大というのもあって、周りはサブカル好きばかりで、それに対してちょっとした反抗心だったかもしれない。

何故皆同じの好きになるだァーーーッつまらんッ!

と、ろくに視野を広げようとはせず、頑なにその世界に入ろうとしなかった。今思えば若気の至りとはいえちょっと勿体ないことしてたなぁと思う。

『ねじ式』は超有名なので、タイトルだけでもご存知の方は多いと思う。この文庫本には『ゲンセンカン主人』も収録されている。

さらに『つげ義春の温泉』や『貧困旅行記』もあって、これがまぁ、とても面白い。

つげ義春本人が実際に訪れ、撮影した温泉地などの写真に、ペン画の挿絵、そして読み応えのあるエッセイが収録されている構成。古き良き温泉が好きな人には、どちらもおすすめしたい一冊だ。

掲載されている写真は、本人が旅した1960〜70年代のものだけあって、さすがに時代は感じる。

けれどそこには、鄙びていて、どこか物憂げな情景が広がっていて、白黒写真でありながら当時の空気感がしっかり伝わってくる。

藁葺きに板葺屋根の木造が並ぶ山村や漁村、そして侘しく寂れた湯治場・・・。ページをめくりながら、探しても見られなくなってしまった絶滅風景に思いを馳せるのです。


『ゲンセンカン主人』から

古い湯治場はたいてい貧乏臭く老朽化している。ときには乞食小屋と見まごうボロ宿もある。浴客もみすぼらしく老朽化した老人ばかりで、見た目の印象では”姥捨て”が想像され、その侘しい雰囲気が癒しになるのだった

つげ義春自身、「行楽としての温泉には興味がなく、地味で面白味のない湯治場に惹かれる」と記している。そして温泉地だけでなく、鉱泉宿にも実際に泊まっている。

確かに、観光地化された温泉はいくらでもある。廃れた雰囲気や、静かな空気感を味わいたいのなら、むしろ鉱泉のほうがしっくりくるのかもしれない。

つげ先生と時代は違えど、古く鄙びたものを求めてしまう気持ちは分かる気がする。景色のいい露天風呂ももちろん素敵だけど、ぐっと心を掴まれるのは、湯場の奥にぽつんと湯船があるような、昔ながらの質素な温泉だったりする。

メインストリートに土産物屋が並ぶ、観光地化された温泉街。夜の温泉街に漂う、あの歓楽的な雰囲気も嫌いじゃない。

けれど、そんな賑やかな温泉地で、地元の人に昔から親しまれてきた古い共同浴場に入ると、不思議とほっとする自分がいる。

いまや「鄙びた、ちょっとボロい温泉巡り」も、立派な温泉ジャンルのひとつ。そういった温泉愛好家がたくさんいるのも、なんとなく頷ける。

そして自分もきっと、漏れなくその部類――そういう温泉を好むタイプ寄りの人間なのだと思う。

うーん、長くなってしまった。。
ですがもう本題なんで、もう少しお付き合い下さいませ。

湯宿温泉



『貧困旅行記』から

つげ義春自身も何度も訪れたという湯宿温泉。
漫画作品だけでなく、写真やエッセイでも何度か取り上げられている。

ファンにとっては、湯宿温泉はまさに「つげ義春の聖地」。聖地巡礼として訪れる人も多そうな。

そのせいもあってか、湯宿温泉についてはネットで検索すると情報はわりと出てくる。とはいえ、いわゆる温泉ランキング100選に入るようなタイプでもなく、一般的に知名度が高い温泉、というわけではなさそうだ。

  • URLをコピーしました!
CONTENTS